今回のフォーラムの主題は「戦争の『遺産』とどう向き合うか」 で、昨年『花岡事件の人たち-中国人強制連行の記録』 (社会評論社)、全4巻を完結された野添憲治さんのお話を 聞いて、考えます。
野 添憲治(のぞえ・けんじ)さんは秋田県藤琴村(現・藤里町)生まれで、山林や土木の出稼ぎを7年、国有林の作業員を8年の後、能代市に転住。大館職業訓練 所(自動車整備科)を修了後、木材業界紙記者、秋田放送ラジオキャスター、秋田経済法科大学講師(非常勤)などを経て、著述活動に入りました。 著 書に『出稼ぎ 少年伐採夫の記録』(三省堂新書)、『開拓農民の記録』(NHKブックス)、『花岡事件の人たち』(社会思想社・現代教養文庫)、『秋田杉を運んだ人た ち』(御茶の水書房)、『花岡事件と中国人』(三一書房)、『秋田県における朝鮮人強制連行』(社会評論社)ほか多数。中国語に翻訳され、中国で3冊が出 版されている。『塩っぱい河をわたる』(福音館書店)で第42回産経児童出版文化賞を受賞。第I期著作集「みちのく・民の語り」(全6巻、社会評論社)な どがあります。
花岡事件は、敗戦直前の1945年6月末に秋田県花岡鉱山で起きた中国人強制連行者による蜂起事件です。 蜂起は鎮圧こそされますが、それを引き起こした悲惨な実態が明るみに出るのは後のこと。戦争責任の問題をかかえ、2000年に裁判で和解しますが、禍根を残しました。 |