Monday, February 24, 2014

チェルノブイリ被害を風化させフクシマの被害を過小評価する動き

今日、24日の「長崎新聞(共同通信)」の見出しと記事を引用する。

福島、「事故の影響考えにくい」 甲状腺がん(02/23 20:24)
 東京電力福島第1原発事故の健康影響を議論する環境省や福島県立医大などが主催の国際研究会が23日、都内で3日間の日程を終え、これまで福島県で見つかった33人の甲状腺がんについて「放射線の影響は考えにくい」との結論をまとめた。
 研究会で、1986年に起きたチェルノブイリ原発事故では、4~5年後から周辺の子どもたちの甲状腺がんが増加したことや、事故時に0~4歳の小さい子どもほどがんになるリスクが高かったと報告された。

http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20140223/he2014022301002359.shtml

 この記事で重要なのは、研究会が「4〜5年後から……増加」としていることだ。チェルノブイリ被害者の掘り起こしが進んだのは、旧ソ連が解体した1990年代から、つまり事故から4〜5年後からということだ。事故からそれまでの4〜5年間、どんな病気が出たのかは、調査をしていなかったので分からないのだ。分からないということと、被害者がいなかったこととは全く別の問題だ。

 国や福島医大は、チェルノブイリの被害を過小評価し、福島の核被害を隠蔽しようとしている。4〜5年後、増加、という先入観を排除して被害者に接する必要がある。その結果、被害から5年後、フクシマでは影響がなかった、あるいはあった、という結論が出て、それが核被害から1〜5年の間の被害者の健康についての最初の記録、となる。

 広島や長崎の被爆者調査が本格的に開始されたのは1950年、被ばくから5年後だった。

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